μ-XRFを用いた福徳岡ノ場の軽石の簡易元素分析手法の開発および地球科学的考察

エネルギー分散型微小部蛍光X線分析(μED-XRF)は非破壊かつ非接触で試料を分析できるだけでなく,微小かつ微量の試料についても分析を行うことができるという利点があるため,微小量の試料の元素分析に適している.2021年8月に噴火を起こした福徳岡ノ場において発生した軽石の元素組成分析を行い,発生源の推測を行うことが地球科学で求められている.軽石はマグマが急冷して固まったものであり,多孔質かつ不均質な組成を持つ.その化学組成はそのマグマ組成を反映しており,火山ごとに特徴的な組成の噴出物が見られることから,軽石の元素組成を分析することにより,噴出源となった火山を推測することができる.本研究では,軽石...

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Published inX線分析の進歩 Vol. 54; pp. 203 - 216
Main Authors 中野, ひとみ, 新城, 竜一, 駒谷, 慎太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2023
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.54.0_203

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Summary:エネルギー分散型微小部蛍光X線分析(μED-XRF)は非破壊かつ非接触で試料を分析できるだけでなく,微小かつ微量の試料についても分析を行うことができるという利点があるため,微小量の試料の元素分析に適している.2021年8月に噴火を起こした福徳岡ノ場において発生した軽石の元素組成分析を行い,発生源の推測を行うことが地球科学で求められている.軽石はマグマが急冷して固まったものであり,多孔質かつ不均質な組成を持つ.その化学組成はそのマグマ組成を反映しており,火山ごとに特徴的な組成の噴出物が見られることから,軽石の元素組成を分析することにより,噴出源となった火山を推測することができる.本研究では,軽石試料の主成分(ガラス)の主成分をμED-XRFを用いて簡易に定量することができる分析法の検討を行うとともに,2021年8月に噴火を起こした福徳岡ノ場の海底火山より発生したとみられる軽石の分析を行い,元素組成より発生源の推測を試みたので報告する.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.54.0_203