食物アレルギーに対応した調理実習題材の有効性の検証 中学生のアレルギー有無別比較
A中学校では, 全校生徒の12.0%が食物アレルギーの症状を持っている. そこで, 食物アレルギー原因食品を含まない「ピザとコンソメスープ」等の3種類のメニューを開発し, 3回の調理実習を行った. 調理実習ごとに, 生徒の家庭で同じメニューの調理を一人で実践させ, そのレポートを課した (復習課題). 本研究では, 「ピザとコンソメスープ」の復習課題の記述内容と家庭での調理回数等を調査し, アレルギーの有無別による比較・分析から本題材の有効性を検証した. なお, 調査対象者は2016年4月にA中学校に入学した生徒178名で, そのうちアレルギー症状を持つ生徒は10.7% (19名) であった....
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Published in | 日本家政学会誌 Vol. 70; no. 12; pp. 833 - 844 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本家政学会
2019
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-5227 1882-0352 |
DOI | 10.11428/jhej.70.833 |
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Summary: | A中学校では, 全校生徒の12.0%が食物アレルギーの症状を持っている. そこで, 食物アレルギー原因食品を含まない「ピザとコンソメスープ」等の3種類のメニューを開発し, 3回の調理実習を行った. 調理実習ごとに, 生徒の家庭で同じメニューの調理を一人で実践させ, そのレポートを課した (復習課題). 本研究では, 「ピザとコンソメスープ」の復習課題の記述内容と家庭での調理回数等を調査し, アレルギーの有無別による比較・分析から本題材の有効性を検証した. なお, 調査対象者は2016年4月にA中学校に入学した生徒178名で, そのうちアレルギー症状を持つ生徒は10.7% (19名) であった. 6ヶ月間の家庭での調理回数の平均は3.1回で, 最多は13回だった. 食物アレルギー症状を持つ生徒は, 調理の基本的な知識や技能の習得に関心があり, 手軽な調理を好む傾向があった. 食物アレルギー症状を持たない生徒は, 食品の特性や調理理論, 食品の選び方などに関心を持つ傾向があった. |
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ISSN: | 0913-5227 1882-0352 |
DOI: | 10.11428/jhej.70.833 |