GC/MSデータベースを用いた多成分一斉分析での不確かさの推定方法

多数の化学物質を効率的に測定するために、GC/MSで検出と定量に必要な情報をデータベース化しておき、登録された数百種類以上の化合物について、標準物質を使用しない calibration curve locking database(CCLD法)が開発・使用されている。本手法では、多数の化合物を対象とすることから、対象化合物の標準品を入手し、既知濃度試料を調製して、繰り返し測定から不確かさを推定することは時間的にほぼ不可能である。繰り返し測定によらない不確かさの推定法として ISO 118437(Capability of detection Part 7: Methodology based...

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Published in環境と安全 Vol. 4; no. 1; pp. 1_3 - 1_8
Main Authors 有薗, 幸司, 小野, 由紀子, 山上, 仰, 篠原, 亮太, 林, 譲, 中島, 晋也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大学等環境安全協議会 2013
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ISSN1884-4375
2186-3725
DOI10.11162/daikankyo.4.1_3

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Summary:多数の化学物質を効率的に測定するために、GC/MSで検出と定量に必要な情報をデータベース化しておき、登録された数百種類以上の化合物について、標準物質を使用しない calibration curve locking database(CCLD法)が開発・使用されている。本手法では、多数の化合物を対象とすることから、対象化合物の標準品を入手し、既知濃度試料を調製して、繰り返し測定から不確かさを推定することは時間的にほぼ不可能である。繰り返し測定によらない不確かさの推定法として ISO 118437(Capability of detection Part 7: Methodology based on stochastic properties of instrumental noise)がある。 ISO 118437では、ベースラインノイズとピークを指定することで、1回の測定で対象とする全ての化合物の不確かさ推定が可能となる。幾つかの農薬標準品を用いて、繰り返し測定と ISO 118437から求めた不確かさを比較し、 ISO 118437の上記の手法へ適用性を確認した。本研究は、 CCLD法で得た測定値の不確かさの推定を可能とすることで、多数の化学物質を迅速に測定できる CCLD法の利点を生かしたまま、不確かさを表記した測定値が得られる手法を提供する。
ISSN:1884-4375
2186-3725
DOI:10.11162/daikankyo.4.1_3