特徴的な病理像を呈した破裂紡錘状末梢性後下小脳動脈瘤 2手術例の報告

「はじめに」後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery aneurysm:以下PICA)自体に発生するdistal PICA動脈瘤は比較的まれである1-5)10)12). この部位の動脈瘤は, 分岐部だけではなく直線的な走行部や血管屈曲部にも発生することがあり6)8), 異なった動脈瘤の発生基盤に基づいて発生している可能性が推測されているが, これまで病理所見を含めた検討はほとんどなされていない. 今回われわれは, くも膜下出血にて発症した連珠状の破裂紡錘状distal PICA動脈瘤に対してトラッピング術を行い, 動脈瘤を摘出して病理像を検討できた...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 1; pp. 58 - 62
Main Authors 安井, 信之, 鈴木, 明文, 山下, 真吾, 石川, 達哉, 宮田, 元, 師井, 淳太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2011
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.39.58

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Summary:「はじめに」後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery aneurysm:以下PICA)自体に発生するdistal PICA動脈瘤は比較的まれである1-5)10)12). この部位の動脈瘤は, 分岐部だけではなく直線的な走行部や血管屈曲部にも発生することがあり6)8), 異なった動脈瘤の発生基盤に基づいて発生している可能性が推測されているが, これまで病理所見を含めた検討はほとんどなされていない. 今回われわれは, くも膜下出血にて発症した連珠状の破裂紡錘状distal PICA動脈瘤に対してトラッピング術を行い, 動脈瘤を摘出して病理像を検討できた2例経験したので, その病理学的所見を中心に報告する. 「症例提示」〈症例1〉高血圧にて内服加療中の71 歳の女性. 自宅で排尿後に突然の頭痛を自覚し, 近医へ救急搬送された. 近医搬入時, 意識レベルはGlasgow Coma Scale 11点(E3, V3, M5)で, 局在性神経徴候を認めなかった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.58