日本における大学のスポーツ推薦入学試験制度の現代的展開 制度の拡大過程と2023年度入試の実態に着目して

「I 問題と目的」「1. 大学におけるスポーツ推薦入試の重要性」近年, 日本では大学スポーツに対して様々な改革が進められている. 例えば, 2019年3月に, アメリカの全米大学体育協会をモデルとして「大学スポーツ協会」が創設された. また, 2022年3月に策定された「第3期スポーツ基本計画」では, 大学スポーツの競技振興のみならず, 大学スポーツが有する資源を活用した地域振興が施策目標に掲げられている(文部科学省, 2022a). このように, これからの日本の大学スポーツには, 競技スポーツのさらなる振興やスポーツを通じた社会発展の促進が期待されている. しかし, そもそも日本において「...

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Published in体育学研究 Vol. 69; pp. 481 - 500
Main Authors 梶, 将徳, 森田, 達貴, 小野, 雄大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会 2024
日本体育・スポーツ・健康学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.23032

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Summary:「I 問題と目的」「1. 大学におけるスポーツ推薦入試の重要性」近年, 日本では大学スポーツに対して様々な改革が進められている. 例えば, 2019年3月に, アメリカの全米大学体育協会をモデルとして「大学スポーツ協会」が創設された. また, 2022年3月に策定された「第3期スポーツ基本計画」では, 大学スポーツの競技振興のみならず, 大学スポーツが有する資源を活用した地域振興が施策目標に掲げられている(文部科学省, 2022a). このように, これからの日本の大学スポーツには, 競技スポーツのさらなる振興やスポーツを通じた社会発展の促進が期待されている. しかし, そもそも日本において「大学」とは, 「学術の中心として, 広く知識を授けるとともに, 深く専門の学芸を教授研究すること」(学校教育法第83条)を目的とした場である. すなわち, 日本の大学では, スポーツの競技振興を本来の目的とはしておらず, 大学教育における競技スポーツの位置づけは非常に曖昧なものであるといえる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.23032