大学生における「食事バランスガイド」に基づいたSV算定の妥当性の検討

本研究では、食事バランスガイドを利用するにあたり、大学生が摂取量をサービング(SV)としてどの程度把握することができるかを調べるため、1日の食事記録調査とSVの記録調査を行った。対象者が記録したSVを自己算定SVとし、食事バランスガイドの算定方法に基づきコンピューターを使って計算したSVを第三者算定SVとした。自己算定SVの第三者算定に対する割合は、主食、副菜、牛乳・乳製品、果物の各区分で80%程度であるものの、主菜では49% と過小に算定する傾向が見られた。主菜は複数の材料を含んでおり、1種類の料理で複数の料理区分に分類されることが多いことや、1SVの基準量がたんぱく質であるため、適正な料理...

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Published inJournal of the Japan Dietetic Association Vol. 54; no. 1; pp. 17 - 27
Main Authors 奥村, 亮太, 高橋, 啓子, 鎌田, 智英実, 吉村, 幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養士会 2011
The Japan Dietetic Association
Subjects
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ISSN0013-6492
2185-6877
DOI10.11379/jjda.54.17

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Summary:本研究では、食事バランスガイドを利用するにあたり、大学生が摂取量をサービング(SV)としてどの程度把握することができるかを調べるため、1日の食事記録調査とSVの記録調査を行った。対象者が記録したSVを自己算定SVとし、食事バランスガイドの算定方法に基づきコンピューターを使って計算したSVを第三者算定SVとした。自己算定SVの第三者算定に対する割合は、主食、副菜、牛乳・乳製品、果物の各区分で80%程度であるものの、主菜では49% と過小に算定する傾向が見られた。主菜は複数の材料を含んでおり、1種類の料理で複数の料理区分に分類されることが多いことや、1SVの基準量がたんぱく質であるため、適正な料理区分への分類や量として把握することが難しいことが考えられ、食事バランスガイドを利用する上で、特に注意が必要な料理区分であることが分かった。また、今回の調査で主食(r=0.69)および主菜(r=0.44)のSVとエネルギー摂取量には高い相関が見られたことから、主食と主菜のSVを把握することによりエネルギー摂取量の推定が可能であると考えられた。
ISSN:0013-6492
2185-6877
DOI:10.11379/jjda.54.17