呼吸と光合成における気体の出入りに関する高校生の認識状態について~プリーストリの実験場面を事例にして
本研究では,まずプリーストリの実験場面を用いて,光合成と呼吸(特に気体の収支関係)に関する高校生の認識状態について調査した。得られた主な知見は次の通りである。(1)高校生は,主に6つの要因(光合成,呼吸,水,餌・養分,温度,その他)に基づいて,プリーストリの実験結果を推測すること。(2)植物成長やその生命維持に不可欠な呼吸を判断基準として引き合いに出しながら,プリーストリの実験結果を推測した高校生は極少ないこと。(3)呼吸と光合成による気体(O2とCO2)の出入りを定景的かつ総合的に判断できた高校生は極少ないこと。さらに,このような調査結果に基づいて,光合成及び呼吸概念の認識を志向する教授学習...
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Published in | 日本理科教育学会研究紀要 Vol. 39; no. 2; pp. 49 - 59 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本理科教育学会
1998
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ISSN | 0389-9039 2433-0140 |
DOI | 10.11639/formersjst.39.2_49 |
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Summary: | 本研究では,まずプリーストリの実験場面を用いて,光合成と呼吸(特に気体の収支関係)に関する高校生の認識状態について調査した。得られた主な知見は次の通りである。(1)高校生は,主に6つの要因(光合成,呼吸,水,餌・養分,温度,その他)に基づいて,プリーストリの実験結果を推測すること。(2)植物成長やその生命維持に不可欠な呼吸を判断基準として引き合いに出しながら,プリーストリの実験結果を推測した高校生は極少ないこと。(3)呼吸と光合成による気体(O2とCO2)の出入りを定景的かつ総合的に判断できた高校生は極少ないこと。さらに,このような調査結果に基づいて,光合成及び呼吸概念の認識を志向する教授学習過程を構築するための視点について,検討を加えた。 |
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ISSN: | 0389-9039 2433-0140 |
DOI: | 10.11639/formersjst.39.2_49 |