ダメージコントロール戦略における評価, 修正そして決断 : TAE, PHP, OAMそしてresectional debridementとつないで救命した重症肝損傷の1例

生命を脅かす肝損傷に対する治療戦略は依然として議論と課題がある. 50歳代の男性, 大酒家で, 乗用車単独事故で胸腹部鈍的外傷を来した. 後区域の複雑深在性肝損傷で後区域枝をtranscatheter arterial embolizationした. 8時間後に再出血をみてperihepatic packingを行った. 6時間後に腹部コンパートメントでopen abdomen managementを行った. 40時間後に計画的再手術として肝損傷に対するresectional debridementと経胆嚢管的ドレナージを行った. 術後の肝梗塞と感染に対してドレーン管理を行い軽快退院した. 重...

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 38; no. 3; pp. 435 - 440
Main Authors 徳丸, 哲平, 岡村, 祥子, 冨岡, 譲二, 倉田, 秀明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.07.2024
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.38.3_02

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Summary:生命を脅かす肝損傷に対する治療戦略は依然として議論と課題がある. 50歳代の男性, 大酒家で, 乗用車単独事故で胸腹部鈍的外傷を来した. 後区域の複雑深在性肝損傷で後区域枝をtranscatheter arterial embolizationした. 8時間後に再出血をみてperihepatic packingを行った. 6時間後に腹部コンパートメントでopen abdomen managementを行った. 40時間後に計画的再手術として肝損傷に対するresectional debridementと経胆嚢管的ドレナージを行った. 術後の肝梗塞と感染に対してドレーン管理を行い軽快退院した. 重症肝損傷に対して継続的かつ詳細な評価と修正を行い, 適切な加療を随時行うダメージコントロール戦略が良好な予後をもたらしうる.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.38.3_02