農業地域に隣接する地方都市住民と冠動脈疾患患者の脂肪酸分画とエイコサペンタエン酸(EPA)/アラキドン酸(AA)比の検討
農業地域にある地方都市住民の脂肪酸分画と,冠動脈疾患(CAD)におけるEPA/AA比について検討した.EPA製剤非服用例で血清脂肪酸24分画を測定した640例(男性298例,女性342例,平均73±12歳)のうち循環器疾患のない正常群134例(男性57例:女性77例,平均71±13歳)を65歳未満の若年中年群39例と65歳以上の高齢群95例に分けた.冠動脈近位部に75%以上の器質的狭窄を持つCAD群153例(平均77±10歳)とCADのない群(非CAD)353例(平均72±12歳)と正常例で脂肪酸分画を比較検討した.正常例で血中AA値は年齢と有意な負相関を,EPA/AA比は年齢と有意な正相関を...
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          | Published in | 日本冠疾患学会雑誌 Vol. 19; no. 3; pp. 209 - 215 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本冠疾患学会
    
        25.09.2013
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| Subjects | |
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| ISSN | 1341-7703 2187-1949  | 
| DOI | 10.7793/jcoron.19.526 | 
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| Summary: | 農業地域にある地方都市住民の脂肪酸分画と,冠動脈疾患(CAD)におけるEPA/AA比について検討した.EPA製剤非服用例で血清脂肪酸24分画を測定した640例(男性298例,女性342例,平均73±12歳)のうち循環器疾患のない正常群134例(男性57例:女性77例,平均71±13歳)を65歳未満の若年中年群39例と65歳以上の高齢群95例に分けた.冠動脈近位部に75%以上の器質的狭窄を持つCAD群153例(平均77±10歳)とCADのない群(非CAD)353例(平均72±12歳)と正常例で脂肪酸分画を比較検討した.正常例で血中AA値は年齢と有意な負相関を,EPA/AA比は年齢と有意な正相関を示した.若年中年群は高齢群に比し脂肪酸分画(net重量)はEPA以外全て高値であったが,%重量では全ての脂肪酸分画で有意差はなく,EPA/AA比も差はなかった.地域別脂肪酸分画(%重量)の分布にも差はなかった.EPA/AA比は正常群,CAD群,非CAD群でそれぞれ0.46±0.23,0.48±0.30,0.45±0.28で3群間に有意差はなかった.地方住民のEPA/AA比は加齢にて増加する.CADの有無でEPA/AA比に有意差はなく,高齢者EPA/AA比の心血管リスク因子としての意義について更なる検討が必要である. | 
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| ISSN: | 1341-7703 2187-1949  | 
| DOI: | 10.7793/jcoron.19.526 |