鈍的外傷によると思われる遅発性橈骨動脈仮性動脈瘤の1例

仮性動脈瘤は外傷性,細菌性,炎症性などにより発症することが報告されている.そのうち橈骨動脈に発生するものについてはカテーテル検査後や穿通性外傷によるものが多い.また,橈骨動脈の遅発性の仮性動脈瘤の発生については報告があるが,鈍的外傷により遅発性に発生する例は稀である.今回われわれは鈍的外傷による遅発性の橈骨動脈仮性瘤の症例を経験したため報告する.症例は25歳男性で,転倒した際に右手関節を打撲し,1カ月後に徐々に拡大する右手関節橈側の腫瘤を主訴に受診した.腫瘤は拍動性であり,超音波検査で右橈骨動脈の仮性動脈瘤が確認され右橈骨動脈の結紮術を行った.術後,腫瘤は縮小し拍動は消失した.橈骨動脈仮性瘤は...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 34; no. 2; pp. 49 - 51
Main Authors 鈴木, 里奈, 小林, 健介, 水野, 裕介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 19.04.2025
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.25-00006

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Summary:仮性動脈瘤は外傷性,細菌性,炎症性などにより発症することが報告されている.そのうち橈骨動脈に発生するものについてはカテーテル検査後や穿通性外傷によるものが多い.また,橈骨動脈の遅発性の仮性動脈瘤の発生については報告があるが,鈍的外傷により遅発性に発生する例は稀である.今回われわれは鈍的外傷による遅発性の橈骨動脈仮性瘤の症例を経験したため報告する.症例は25歳男性で,転倒した際に右手関節を打撲し,1カ月後に徐々に拡大する右手関節橈側の腫瘤を主訴に受診した.腫瘤は拍動性であり,超音波検査で右橈骨動脈の仮性動脈瘤が確認され右橈骨動脈の結紮術を行った.術後,腫瘤は縮小し拍動は消失した.橈骨動脈仮性瘤は他に手背やタバコ窩に発生した例も報告されている.本症例は鈍的外傷による動脈挫傷から仮性動脈瘤が発生したと考えられる.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.25-00006