低左心機能症例に対する冠動脈バイパス手術(CABG)
経皮的冠動脈形成術(PCI)の適応拡大により外科に紹介される患者は3枝病変,虚血性心筋症(ICM)や虚血性僧帽弁閉鎖不全症(IMR)合併例など複雑病変例が中心となってきた.低左心機能症例に対する外科治療成績について後方視的に検討した.低左心機能症例における我々の基本的治療方針は,(1)完全血行再建,(2)scheduled IABPや体外循環を使用し循環動態の安定を重視する,(3)2度以上のIMRについては僧帽弁形成術を追加する,(4)左室瘤に対しては左室形成術を,(5)弁膜症や大血管手術も同時に行う,である.2002年1月から2008年8月までに当科で施行したCABG症例513例のうち術前左...
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          | Published in | 日本冠疾患学会雑誌 Vol. 18; no. 2; pp. 130 - 135 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本冠疾患学会
    
        25.06.2012
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| Subjects | |
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| ISSN | 1341-7703 2187-1949  | 
| DOI | 10.7793/jcoron.18.448 | 
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| Summary: | 経皮的冠動脈形成術(PCI)の適応拡大により外科に紹介される患者は3枝病変,虚血性心筋症(ICM)や虚血性僧帽弁閉鎖不全症(IMR)合併例など複雑病変例が中心となってきた.低左心機能症例に対する外科治療成績について後方視的に検討した.低左心機能症例における我々の基本的治療方針は,(1)完全血行再建,(2)scheduled IABPや体外循環を使用し循環動態の安定を重視する,(3)2度以上のIMRについては僧帽弁形成術を追加する,(4)左室瘤に対しては左室形成術を,(5)弁膜症や大血管手術も同時に行う,である.2002年1月から2008年8月までに当科で施行したCABG症例513例のうち術前左室駆出率(LVEF)35%以下の症例70例(13.6%)を対象とした.術前のLVEFは28.6±5.8%から術後39.3±11.2%に改善した.左室形成術を施行した症例では,左室拡張末期容積は137.5±12.7 ml/m2から97.1±13.9 ml/m2,MAPを施行した症例では,MR grade は2.3±0.7から0.3±0.5へ改善した.完全血行再建と併施手術を積極的に行う我々の基本的治療方針は妥当な治療方針と思われる. | 
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| ISSN: | 1341-7703 2187-1949  | 
| DOI: | 10.7793/jcoron.18.448 |