低悪性度耳下腺癌Stage Ⅰ・Ⅱの検討

耳下腺腫瘍に対して初回手術を実施し,最終病理診断が低悪性度癌pT1-2となった27例の検討を行った。術前細胞診では10例が悪性,10例が良性,7例良悪性鑑別困難との診断であり,術中迅速病理検査の結果を踏まえ,最終的な術式は耳下腺全摘15例,耳下腺浅葉切除/深葉切除12例であった。切除断端は全27例で陰性,全摘した15例に病理学的な耳下腺内散布像・リンパ節転移を認めた症例はみられなかった。全例に再発がみられず,10年全生存率も100%であった。低悪性癌pT1-2であれば,葉切除に留め,追加切除として二期的な残存耳下腺全摘を行わずとも,良好な治療成績が得られるものと考えられた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 34; no. 2; pp. 151 - 155
Main Authors 松居, 祐樹, 今泉, 冴恵, 神山, 亮介, 岩城, 弘尚, 三谷, 浩樹, 瀬戸, 陽, 新橋, 渉, 市川, 千恭, 福島, 啓文, 佐藤, 由紀子, 佐々木, 徹, 鳥居, 淳一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.34.151

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Summary:耳下腺腫瘍に対して初回手術を実施し,最終病理診断が低悪性度癌pT1-2となった27例の検討を行った。術前細胞診では10例が悪性,10例が良性,7例良悪性鑑別困難との診断であり,術中迅速病理検査の結果を踏まえ,最終的な術式は耳下腺全摘15例,耳下腺浅葉切除/深葉切除12例であった。切除断端は全27例で陰性,全摘した15例に病理学的な耳下腺内散布像・リンパ節転移を認めた症例はみられなかった。全例に再発がみられず,10年全生存率も100%であった。低悪性癌pT1-2であれば,葉切除に留め,追加切除として二期的な残存耳下腺全摘を行わずとも,良好な治療成績が得られるものと考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.34.151