LESAの病理診断からシェーグレン症候群の診断に至った耳下腺内多発膿疱症例

(背景)両側耳下腺内の多発腫瘤の組織生検から,シェーグレン症候群の診断に至った症例を経験したため報告する。(症例)72歳,女性。1か月程前より耳下腺の急激な増大を認めたため,病院を受診した。両側耳下腺内に多発する囊胞を認め,組織生検を行い,リンパ上皮性唾液腺炎の病理診断となった。さらに抗SS-A抗体が陽性でありシェーグレン症候群の診断に至った。ステロイドの投与を行い,囊胞は縮小した。(考察)シェーグレン症候群に伴うリンパ上皮性病変は,悪性リンパ腫の発生母地になるため,注意を要する。稀に本症例のように囊胞を形成することがあるため,耳下腺腫瘤の鑑別疾患として本疾患を念頭にいれる必要がある。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 34; no. 2; pp. 157 - 163
Main Authors 梅野, 博仁, 渡邊, 紗千, 永田, 圭, 末吉, 慎太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.34.157

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Summary:(背景)両側耳下腺内の多発腫瘤の組織生検から,シェーグレン症候群の診断に至った症例を経験したため報告する。(症例)72歳,女性。1か月程前より耳下腺の急激な増大を認めたため,病院を受診した。両側耳下腺内に多発する囊胞を認め,組織生検を行い,リンパ上皮性唾液腺炎の病理診断となった。さらに抗SS-A抗体が陽性でありシェーグレン症候群の診断に至った。ステロイドの投与を行い,囊胞は縮小した。(考察)シェーグレン症候群に伴うリンパ上皮性病変は,悪性リンパ腫の発生母地になるため,注意を要する。稀に本症例のように囊胞を形成することがあるため,耳下腺腫瘤の鑑別疾患として本疾患を念頭にいれる必要がある。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.34.157