わが国の糖尿病地域有病率の推計に関する研究

わが国の西暦2000年に向けての糖尿病有病率および受療率の推移予測を最近10数年の各種データをもとに指数回帰分析によって検討した.この結果, 糖尿病の有病率および受療率の増加率は全疾患の有病率および受療率に比してかなり大きく, 年齢階級別には特に65歳以上の増加率が大きく, 西暦2000年には1985年のそれぞれ約4倍, 2倍程度に増加することが予測された.また, 糖尿病の地域有病率の推計指標を検討し, 副傷病を考慮した有病者数の算出方法の試案を作成しその有効性を明らかにした.次に, 老人保健法の健康診査の結果を用いて, 糖尿病判定率・尿糖陽性判定率と受診率・患者調査による有病率との相関分析を...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 51; no. 1; pp. 10 - 22
Main Authors 三浦, 宜彦, 村上, 善次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 1991
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.51.10

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Summary:わが国の西暦2000年に向けての糖尿病有病率および受療率の推移予測を最近10数年の各種データをもとに指数回帰分析によって検討した.この結果, 糖尿病の有病率および受療率の増加率は全疾患の有病率および受療率に比してかなり大きく, 年齢階級別には特に65歳以上の増加率が大きく, 西暦2000年には1985年のそれぞれ約4倍, 2倍程度に増加することが予測された.また, 糖尿病の地域有病率の推計指標を検討し, 副傷病を考慮した有病者数の算出方法の試案を作成しその有効性を明らかにした.次に, 老人保健法の健康診査の結果を用いて, 糖尿病判定率・尿糖陽性判定率と受診率・患者調査による有病率との相関分析を行い, これら判定率と有病率との間に正の相関が認められることを明らかにした.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.51.10