機械的血栓回収療法を行った脳梗塞患者における続発性うっ血性心不全の頻度と関連因子の検討
自施設で機械的血栓回収療法を行った脳梗塞患者を対象として, 周術期心不全発作の発症有無に関連する因子を検討した。99症例が検討対象となり, 周術期心不全を13例で発症した。患者, 疾患背景 (年齢, 性別, 搬送手段, 初回心電図波形, 脳梗塞の病院, 閉塞部位, NIHSS, 心機能, 腎機能) および治療関連因子 (血栓溶解療法, 発症目撃, 治療時間, 手技成功, 合併症) と発作発症の関連を調査した。心不全と関連したのは初回心電図波形 (心房細動/ペースメーカー波形/洞調律19%/50%/3% ; p=0.017), 初回NT-proBNP値 (2,665pg/mL vs 878pg/...
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Published in | 日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 44; no. 4; pp. 306 - 309 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本救急医学会関東地方会
28.12.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0287-301X 2434-2580 |
DOI | 10.24697/jaamkanto.44.4_306 |
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Summary: | 自施設で機械的血栓回収療法を行った脳梗塞患者を対象として, 周術期心不全発作の発症有無に関連する因子を検討した。99症例が検討対象となり, 周術期心不全を13例で発症した。患者, 疾患背景 (年齢, 性別, 搬送手段, 初回心電図波形, 脳梗塞の病院, 閉塞部位, NIHSS, 心機能, 腎機能) および治療関連因子 (血栓溶解療法, 発症目撃, 治療時間, 手技成功, 合併症) と発作発症の関連を調査した。心不全と関連したのは初回心電図波形 (心房細動/ペースメーカー波形/洞調律19%/50%/3% ; p=0.017), 初回NT-proBNP値 (2,665pg/mL vs 878pg/mL ; p<0.001) であった。また, 初回左室駆出率が低値 (66% vs 71%) となる傾向があった。いずれも来院時の比較的簡便な検査所見であり, これらを活用すれば早期発症予防・治療介入に寄与する可能性があり, 救急科, 脳神経外科や循環器内科などを含めたチーム医療およびICUや救命センターなどでの集学的治療の介入が有用であると考えられる。 |
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ISSN: | 0287-301X 2434-2580 |
DOI: | 10.24697/jaamkanto.44.4_306 |