一般外来研修において研修医が経験する症候・疾患の特徴―救急外来研修との比較から
目的:一般外来と一次・二次救急外来はともにプライマリ・ケアの範疇に入るが,二者の治療場面の違いは卒後臨床研修の教育プログラム策定に影響すると考えられる.本研究は,一般外来と救急外来を含む地域基盤型外来研修で研修医が経験した内容を後方視的に調査することにより,それぞれの治療場面で経験しやすい項目の相違を比較することを目的に実施した.方法:一般外来と救急外来それぞれについて,経験すべき症候や疾患を経験した研修医の人数を算出し,Fisherの正確確率検定を用いて比較した.結果:「頭痛」など臨床推論を学ぶのにふさわしい項目,「認知症」など慢性疾患の継続診療を学ぶのにふさわしい項目で,救急外来よりも一般...
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| Published in | 日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol. 47; no. 3; pp. 81 - 88 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
20.09.2024
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| Subjects | |
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| ISSN | 2185-2928 2187-2791 |
| DOI | 10.14442/generalist.47.81 |
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| Summary: | 目的:一般外来と一次・二次救急外来はともにプライマリ・ケアの範疇に入るが,二者の治療場面の違いは卒後臨床研修の教育プログラム策定に影響すると考えられる.本研究は,一般外来と救急外来を含む地域基盤型外来研修で研修医が経験した内容を後方視的に調査することにより,それぞれの治療場面で経験しやすい項目の相違を比較することを目的に実施した.方法:一般外来と救急外来それぞれについて,経験すべき症候や疾患を経験した研修医の人数を算出し,Fisherの正確確率検定を用いて比較した.結果:「頭痛」など臨床推論を学ぶのにふさわしい項目,「認知症」など慢性疾患の継続診療を学ぶのにふさわしい項目で,救急外来よりも一般外来の方が有意に多く経験していた.結論:臨床研修における経験すべき症候・疾患のうち,一般外来で経験しやすいものが抽出された.これらの項目は一般外来研修の目的にも合致していると考えられた. |
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| ISSN: | 2185-2928 2187-2791 |
| DOI: | 10.14442/generalist.47.81 |