確定診断に苦慮した腺内多発甲状腺濾胞性腫瘍の1例
腺腫様甲状腺腫と濾胞性腫瘍は超音波検査や細胞診である程度は鑑別診断が可能であるが,病理組織学的に非常に似通った部分があり診断に難渋することがある。症例は51歳,男性。甲状腺両葉に緩徐増大傾向の腫瘤を認め,甲状腺全摘術を施行した。病理検査では腺内に多発する濾胞性腫瘍を認め,濾胞性腫瘍が混在する多発腺腫様甲状腺腫と最終診断したが,何れの所見に重きを置くかによって複数の病理専門医によって解釈が異なった。濾胞癌においては10年以上局所再発・遠隔転移が見られない例もしばしば報告されており,注意深い経過観察が必要である。...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 34; no. 3; pp. 301 - 305 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2025
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Subjects | |
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ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.34.301 |
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Summary: | 腺腫様甲状腺腫と濾胞性腫瘍は超音波検査や細胞診である程度は鑑別診断が可能であるが,病理組織学的に非常に似通った部分があり診断に難渋することがある。症例は51歳,男性。甲状腺両葉に緩徐増大傾向の腫瘤を認め,甲状腺全摘術を施行した。病理検査では腺内に多発する濾胞性腫瘍を認め,濾胞性腫瘍が混在する多発腺腫様甲状腺腫と最終診断したが,何れの所見に重きを置くかによって複数の病理専門医によって解釈が異なった。濾胞癌においては10年以上局所再発・遠隔転移が見られない例もしばしば報告されており,注意深い経過観察が必要である。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.34.301 |