寛永通宝における主要金属元素の分布測定

「寛永通宝」における磁化率の分布を解明するため,蛍光X線分析により主要金属元素(Cu, Zn, Fe, S, Cl, Pb, As, Ca)の濃度分布を測定し,特にFeに注目して磁化率との相関を調べた.その結果,いずれの個体もCuとZnを主成分とする黄銅(銅亜鉛合金)からなることを確認した.また,FeとSの濃度が個体間で異なるものの,Feの濃度分布と磁化率分布との相関は確認できなかった.寛永通宝における磁化率は単純にFeの濃度では説明できない....

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Published inX線分析の進歩 Vol. 42; pp. 307 - 313
Main Authors 村松, 康司, 西埜, 誠, 内原, 博, 衣川, 良介, 大江, 剛志, 大野, ひとみ, 小川, 理絵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2011
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.42.0_307

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Summary:「寛永通宝」における磁化率の分布を解明するため,蛍光X線分析により主要金属元素(Cu, Zn, Fe, S, Cl, Pb, As, Ca)の濃度分布を測定し,特にFeに注目して磁化率との相関を調べた.その結果,いずれの個体もCuとZnを主成分とする黄銅(銅亜鉛合金)からなることを確認した.また,FeとSの濃度が個体間で異なるものの,Feの濃度分布と磁化率分布との相関は確認できなかった.寛永通宝における磁化率は単純にFeの濃度では説明できない.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.42.0_307