アーギュメント教師教育プログラムが教師に与えた影響に関する事例的研究:アーギュメントに対する教師の信念に着目して

アーギュメントの指導には,アーギュメントに対する教師の信念が強く影響を及ぼすことが指摘され(Sampson & Blanchard, 2012),Katsh-Singer, McNeill, and Loper(2016)は,7つの信念のカテゴライズをしている。本研究の目的は,これに基づき,アーギュメント構成能力を育成するうえでの現職教師の信念を事例的に分析し,教師教育プログラム(神山・山本・俣野,2017)が教師の信念に与える影響を明らかにすることである。対象は,アーギュメントを授業に導入した経験が無い,国立大学附属小学校の理科専科教員M(小学校教員歴12年),1名であった。教師教育...

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Published in理科教育学研究 Vol. 60; no. 2; pp. 333 - 345
Main Authors 山本, 智一, 神山, 真一, 俣野, 源晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本理科教育学会 29.11.2019
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ISSN1345-2614
2187-509X
DOI10.11639/sjst.18044

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Summary:アーギュメントの指導には,アーギュメントに対する教師の信念が強く影響を及ぼすことが指摘され(Sampson & Blanchard, 2012),Katsh-Singer, McNeill, and Loper(2016)は,7つの信念のカテゴライズをしている。本研究の目的は,これに基づき,アーギュメント構成能力を育成するうえでの現職教師の信念を事例的に分析し,教師教育プログラム(神山・山本・俣野,2017)が教師の信念に与える影響を明らかにすることである。対象は,アーギュメントを授業に導入した経験が無い,国立大学附属小学校の理科専科教員M(小学校教員歴12年),1名であった。教師教育プログラムは,神山・山本・俣野(2017)に基づいて行い,受講後,対象教員Mに対して,質問紙調査と聞き取り調査を実施した。その結果,1)プログラムによって実感した論証の構成要素に着目した論理的であるというアーギュメントの特質,2)プログラムの中で考察した,論証の構成要素に着目した説明活動をするための児童の能力や意欲の状態,3)プログラム中の実際に授業を構想・実施するという活動が,教師の信念に影響を及ぼしていることが明らかになった。
ISSN:1345-2614
2187-509X
DOI:10.11639/sjst.18044