二次ターゲットを用いた元素識別型のX線吸収イメージングの基礎検討

元素識別型のX線吸収イメージングについて研究を行った.X線のエネルギーを変えるために,二次ターゲットを用いた.最適な二次ターゲットを用いることで,X線吸収端の前後のエネルギーでX線吸収像を得た.X線吸収像は高感度なX線カメラを用いて数秒の短い露光時間で取得できた.Al,Cu,Niの金属箔からなる試料が分析された.Niの元素識別画像を得るために,NiのK吸収端の前後で2つのX線吸収像が必要である.そこで,CuとZnの板を二次ターゲットとして用いることでCu KαとZn KαのX線を得た.最終的に,2つのX線吸収像の差分をとることでNiの分布像が得られた.さらに,X線カメラで制御される閾値エネルギ...

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Published inX線分析の進歩 Vol. 54; pp. 89 - 99
Main Authors 中江, 理紀, 町田, 昌彦, 辻, 幸一, 吉田, 幸彦, 松山, 嗣史, 村上, 昌史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2023
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.54.0_89

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Summary:元素識別型のX線吸収イメージングについて研究を行った.X線のエネルギーを変えるために,二次ターゲットを用いた.最適な二次ターゲットを用いることで,X線吸収端の前後のエネルギーでX線吸収像を得た.X線吸収像は高感度なX線カメラを用いて数秒の短い露光時間で取得できた.Al,Cu,Niの金属箔からなる試料が分析された.Niの元素識別画像を得るために,NiのK吸収端の前後で2つのX線吸収像が必要である.そこで,CuとZnの板を二次ターゲットとして用いることでCu KαとZn KαのX線を得た.最終的に,2つのX線吸収像の差分をとることでNiの分布像が得られた.さらに,X線カメラで制御される閾値エネルギーを元素イメージングに利用した.二次ターゲットを交換することなく,真鍮板のような1種類の二次ターゲットだけを用いてNiの吸収像を得ることができることを示した.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.54.0_89