フィールドワーク技法を用いた電子カルテシステムの看護業務サポート状況の病棟間の比較

看護業務への情報システムの導入にあたり,ユーザおよび開発者に対し電子カルテシステムがサポート可能な看護業務の範囲とその機能の問題を明らかにすることが望まれている.それに向けた取り組みとして,本研究では,2箇所の病棟において,フィールドワーク技法を用いて電子カルテシステムによるサポート状況を検討した.タスクカテゴリーマップ化された業務を比較した結果,共通するタスクは全タスクの87.4%を占め,異なっているタスクは12.6%に止まった.共通するタスクにおいては,電子カルテは高度な知的作業の基となる情報取得・参照や情報発信・提供に関する業務をサポートできていたが,機能不足を運用でカバーしている業務の...

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Published inJapan Journal of Medical Informatics Vol. 30; no. 3; pp. 139 - 155
Main Authors 阿部, 祝子, 中村, 亜紀, 中島, 健次, 西村, 治彦, 三好, 亮, 石垣, 恭子, 石垣, 一司, 水上, ちえみ, 山田, 泰子, 楠岡, 英雄, 稲田, 紘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 2010
Japan Association for Medical Informatics
Subjects
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ISSN0289-8055
2188-8469
DOI10.14948/jami.30.139

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Summary:看護業務への情報システムの導入にあたり,ユーザおよび開発者に対し電子カルテシステムがサポート可能な看護業務の範囲とその機能の問題を明らかにすることが望まれている.それに向けた取り組みとして,本研究では,2箇所の病棟において,フィールドワーク技法を用いて電子カルテシステムによるサポート状況を検討した.タスクカテゴリーマップ化された業務を比較した結果,共通するタスクは全タスクの87.4%を占め,異なっているタスクは12.6%に止まった.共通するタスクにおいては,電子カルテは高度な知的作業の基となる情報取得・参照や情報発信・提供に関する業務をサポートできていたが,機能不足を運用でカバーしている業務の存在も明らかになった.電子カルテシステムが両病棟の業務にほぼ適応できているという結果は,複雑多様な看護業務では電子カルテとの親和に多くの問題点が見出されるのではないかという所期の予想に反するものであった.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.30.139