完全フィルムレス環境下での全画像即時読影の臨床現場に及ぼす効果―外来CT検査患者への影響の検討

当院は2001年4月に完全フィルムレス,ペーパーレス大学付属病院として開院し,放射線科ではすべての画像検査を即時読影し,検査終了後,画像診断レポートを短時間でカルテに配信している.読影の優先度は3種で,緊急は可及的速やか,至急は2時間以内,通常は検査当日にレポートを作成し,オーダー時のデフォルトは至急である.外来患者のCT診断レポートの短時間配信が臨床現場に及ぼす影響について検討した.無作為抽出した外来検査のCTから,608例(緊急199件,至急278件,通常131件)につき,端末ログの記録をもとに,読影時間とカルテで診断レポートが参照できるまでの時間を調査した.さらに検査後の臨床医による患者...

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Published inJapan Journal of Medical Informatics Vol. 24; no. 6; pp. 613 - 619
Main Authors 田中, 絵里子, 石垣, 武男, 浮洲, 龍太郎, 櫛橋, 民生, 鈴木, 美奈子, 藤澤, 英文, 稲葉, 基之, 武中, 泰樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 2004
Japan Association for Medical Informatics
Subjects
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ISSN0289-8055
2188-8469
DOI10.14948/jami.24.613

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Summary:当院は2001年4月に完全フィルムレス,ペーパーレス大学付属病院として開院し,放射線科ではすべての画像検査を即時読影し,検査終了後,画像診断レポートを短時間でカルテに配信している.読影の優先度は3種で,緊急は可及的速やか,至急は2時間以内,通常は検査当日にレポートを作成し,オーダー時のデフォルトは至急である.外来患者のCT診断レポートの短時間配信が臨床現場に及ぼす影響について検討した.無作為抽出した外来検査のCTから,608例(緊急199件,至急278件,通常131件)につき,端末ログの記録をもとに,読影時間とカルテで診断レポートが参照できるまでの時間を調査した.さらに検査後の臨床医による患者,または家族への結果説明の有無を調査した.緊急は平均14分,至急は21分,通常も22分弱で読影レポートが作成され,放射線部での患者受付から約60~70分でレポートが配信されていた.患者の過半数が検査当日に説明を受けていた.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.24.613