映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析

本研究では,オンライン学習環境を想定した映像コンテンツの高速提示と学習効果の関連性を明らかにすることを目的とした.1倍速,1.5倍速,2倍速の提示速度の異なる映像コンテンツを3種類作成し,大学生75名に提示した.作成した映像コンテンツは高等学校における情報科の宣言的知識を扱ったものであった.学習の前後に実施した理解度テストの得点から,学習効果を検証した.また,3種類の提示速度に対する主観評価を,質問紙を用いて調査した.理解度テストの分析結果から,提示速度の相違は,学習効果に影響を与えないということが明らかになった.一方,質問紙調査の結果から,映像コンテンツを利用した学習に適した提示速度として,...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 40; no. 4; pp. 291 - 300
Main Authors 森田, 裕介, 長濱, 澄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 2017
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ISSN1349-8290
2189-6453
DOI10.15077/jjet.40062

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Summary:本研究では,オンライン学習環境を想定した映像コンテンツの高速提示と学習効果の関連性を明らかにすることを目的とした.1倍速,1.5倍速,2倍速の提示速度の異なる映像コンテンツを3種類作成し,大学生75名に提示した.作成した映像コンテンツは高等学校における情報科の宣言的知識を扱ったものであった.学習の前後に実施した理解度テストの得点から,学習効果を検証した.また,3種類の提示速度に対する主観評価を,質問紙を用いて調査した.理解度テストの分析結果から,提示速度の相違は,学習効果に影響を与えないということが明らかになった.一方,質問紙調査の結果から,映像コンテンツを利用した学習に適した提示速度として,1.5倍速が最も支持されているのに対し,2倍速に対する主観評価は肯定的ではないことが明らかになった.これらのことから,ある条件によっては,一定時間に,これまでの1.5倍から2倍の学習ができる可能性が示唆された.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.40062