磁場環境でのL-アラニンの結晶成長
結晶素材の機能を向上させるため, 結晶の形態や構造を制御するいくつもの方法が試みられている. 近年, 構造的高品質の結晶を得るためだけでなく, 結晶の配向や形態を制御するための結晶成長に, 磁場が活用されるようになっている. 磁場作用を明らかにするために, 結晶の配向や表面状態への磁場効果の詳細な研究において, 水溶液からのL-アラニン結晶の結晶化への磁場効果の系統的研究がなされた. 我々は, 磁場下で稼働可能なその場観察光学顕微鏡システムを作製した. 溶液中を浮遊しているL-アラニン結晶のc軸が磁場方向と配向することを明らかにした. 0Tから5T均一磁場下においで, L-アラニンの (120...
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| Published in | 日本海水学会誌 Vol. 58; no. 5; pp. 462 - 474 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本海水学会
2004
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0369-4550 2185-9213 |
| DOI | 10.11457/swsj1965.58.462 |
Cover
| Summary: | 結晶素材の機能を向上させるため, 結晶の形態や構造を制御するいくつもの方法が試みられている. 近年, 構造的高品質の結晶を得るためだけでなく, 結晶の配向や形態を制御するための結晶成長に, 磁場が活用されるようになっている. 磁場作用を明らかにするために, 結晶の配向や表面状態への磁場効果の詳細な研究において, 水溶液からのL-アラニン結晶の結晶化への磁場効果の系統的研究がなされた. 我々は, 磁場下で稼働可能なその場観察光学顕微鏡システムを作製した. 溶液中を浮遊しているL-アラニン結晶のc軸が磁場方向と配向することを明らかにした. 0Tから5T均一磁場下においで, L-アラニンの (120) および (011) 面の成長速度は萌らかに抑制された. この成長抑制は, 磁場効果による溶液中の懸濁結晶の配向と対流減少により引き起こされると仮定した物質移動の低下によるものと考えた. また, 磁気力による成長速度への影響についても実験的に検討した. さらに, L-アラニン結晶成長へのL-メチオニン添加物効果について, 原子間力顕微鏡 (AFM), X線光電子分光法 (XPS) および飛行時間型2次イオン質量分析法 (TORSIMS) を用いて考察した. |
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| ISSN: | 0369-4550 2185-9213 |
| DOI: | 10.11457/swsj1965.58.462 |