デザイン活動の二種類の推論段階での脳前頭前野と自律神経の活性状態

デザイン活動における二種類の推論段階のアイデア発想においては,対象の抽象度が異なる。新たな価値創出を目指し,実現手段を幅広く検討してコンセプト構築するためには抽象度の高いアイデア発想が求められる。デザイナーが双方のアイデア発想をする際の違いについて知見を得るため,本研究では連続する二種類のアイデア発想時の脳前頭前野と自律神経の活性状態を調査し,脳賦活に関して次の結論を得た。1.抽象度の高いアイデア発想の方が脳賦活は大きい。2.後のタスクの脳賦活は低減する。3.アイデアを多く出した群は最初の抽象度の高いアイデア発想においてより大きな脳賦活をする。この他,関連性の無い連続する二課題において,アイデ...

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Published inデザイン学研究 Vol. 70; no. 4; pp. 4_19 - 4_28
Main Authors 前川, 正実, 張, 紫薇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本デザイン学会 31.03.2024
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ISSN0910-8173
2186-5221
DOI10.11247/jssdj.70.4_19

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Summary:デザイン活動における二種類の推論段階のアイデア発想においては,対象の抽象度が異なる。新たな価値創出を目指し,実現手段を幅広く検討してコンセプト構築するためには抽象度の高いアイデア発想が求められる。デザイナーが双方のアイデア発想をする際の違いについて知見を得るため,本研究では連続する二種類のアイデア発想時の脳前頭前野と自律神経の活性状態を調査し,脳賦活に関して次の結論を得た。1.抽象度の高いアイデア発想の方が脳賦活は大きい。2.後のタスクの脳賦活は低減する。3.アイデアを多く出した群は最初の抽象度の高いアイデア発想においてより大きな脳賦活をする。この他,関連性の無い連続する二課題において,アイデアを多く出した群は最初のタスクでより大きな脳賦活をするのに対し,アイデアを出しにくかった群では両タスクの脳賦活に差が無いことがわかった。
ISSN:0910-8173
2186-5221
DOI:10.11247/jssdj.70.4_19