模擬遠隔聴診におけるコミュニケーション分析の試み

遠隔診療におけるコミュニケーションを理解することは遠隔診療のための情報システムやワークフローを検討する上で重要である.本研究では遠隔診療のコミュニケーション分析を目的とし,まず,初期的検討として聴診訓練シミュレータを使用した模擬遠隔聴診において医師と聴診経験がない介助者各1名を対象とする観察実験を実施した.実験は健常3例と呼吸器系疾患3例について実施した.分析では,被験者へのアンケートとインタビュー,被験者に提示する映像と音声の記録,実験環境の外観をカメラで撮影した映像・音声により,多角的な分析を試みた.結果より,本実験で設定した状況下における医師と介助者の視覚的・言語的行為連鎖のパターン化,...

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Published inJapan Journal of Medical Informatics Vol. 35; no. 6; pp. 297 - 304
Main Authors 高梨, 克也, 堀, 謙太, 内藤, 知佐子, 黒田, 知宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 2015
Japan Association for Medical Informatics
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ISSN0289-8055
2188-8469
DOI10.14948/jami.35.297

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Summary:遠隔診療におけるコミュニケーションを理解することは遠隔診療のための情報システムやワークフローを検討する上で重要である.本研究では遠隔診療のコミュニケーション分析を目的とし,まず,初期的検討として聴診訓練シミュレータを使用した模擬遠隔聴診において医師と聴診経験がない介助者各1名を対象とする観察実験を実施した.実験は健常3例と呼吸器系疾患3例について実施した.分析では,被験者へのアンケートとインタビュー,被験者に提示する映像と音声の記録,実験環境の外観をカメラで撮影した映像・音声により,多角的な分析を試みた.結果より,本実験で設定した状況下における医師と介助者の視覚的・言語的行為連鎖のパターン化,コミュニケーションモダリティの遷移など,今後分析を進める上での基礎的な知見が得られた.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.35.297