聴性脳幹反応における有意差検定脳電図に関する研究
1) 正常者5名において平均加算時の振幅と位相のバラツキが最小限となるようにディジタルフィルタの帯域幅を400-1520Hzに設定し, topography作成に必要な安定した再現性のあるABR波形を記録できた. 2) 正常者30名におけるABRの潜時, 振幅, 面積の正規性と個体間の変動の検討から, P I波, P III波, P V波潜時およびそれらの頂点間潜時, P I波, P III波, P V波, N III波, NV波およびIII波, V波振幅, P III波, P V波, N III波, NV波およびIII波, IV/V波面積を有意差検定脳電図 (SPM) の適切な指標として選択...
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Published in | 耳鼻と臨床 Vol. 38; no. 3; pp. 200 - 213 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻と臨床会
1992
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
DOI | 10.11334/jibi1954.38.3_200 |
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Summary: | 1) 正常者5名において平均加算時の振幅と位相のバラツキが最小限となるようにディジタルフィルタの帯域幅を400-1520Hzに設定し, topography作成に必要な安定した再現性のあるABR波形を記録できた. 2) 正常者30名におけるABRの潜時, 振幅, 面積の正規性と個体間の変動の検討から, P I波, P III波, P V波潜時およびそれらの頂点間潜時, P I波, P III波, P V波, N III波, NV波およびIII波, V波振幅, P III波, P V波, N III波, NV波およびIII波, IV/V波面積を有意差検定脳電図 (SPM) の適切な指標として選択した. 3) ABRのSPMを小脳橋角部腫瘍と橋部腫瘍の2症例に応用し, 潜時の異常が限局した部位に見られたり振幅や面積の異常を示す部位が各波によって異なるなど, 単一誘導では観察できない情報が得られた. 以上から, 従来困難視されていたABRtopographyにおけるSPMが作成され, 機能的画像診断として臨床応用可能と考えた. |
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ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
DOI: | 10.11334/jibi1954.38.3_200 |