iPlan ENTによる側頭骨領域ナビゲーション手術

側頭骨は解剖学的に重要な血管・神経などが複雑に存在しているため, 手術手技習得が比較的困難とされる。また, 一旦術後合併症が発生すると致死的になることもある。他方この領域に発生する疾患の中には, 手術が唯一の治療方法とされる比較的発生頻度の少ない疾患も存在する。ナビゲーション手術は, この相反する問題を解決する方法の一つとして認識され, 側頭骨領域手術の安全性と確実性を向上させるものである。 一般的にMRIは軟部組織の描出に優れ, HRCTは骨組織の描出に優れている。われわれはiPlan ENTTMの画像融合機能を利用し, MRIでより明瞭に描出される病巣をCTに反映させて術前画像を作成した。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 55; no. 5; pp. 311 - 315
Main Authors 國本, 泰臣, 長谷川, 賢作, 矢間, 敬章, 北野, 博也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.10.2012
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.55.311

Cover

More Information
Summary:側頭骨は解剖学的に重要な血管・神経などが複雑に存在しているため, 手術手技習得が比較的困難とされる。また, 一旦術後合併症が発生すると致死的になることもある。他方この領域に発生する疾患の中には, 手術が唯一の治療方法とされる比較的発生頻度の少ない疾患も存在する。ナビゲーション手術は, この相反する問題を解決する方法の一つとして認識され, 側頭骨領域手術の安全性と確実性を向上させるものである。 一般的にMRIは軟部組織の描出に優れ, HRCTは骨組織の描出に優れている。われわれはiPlan ENTTMの画像融合機能を利用し, MRIでより明瞭に描出される病巣をCTに反映させて術前画像を作成した。この画像融合機能を利用することで, 病巣の局在を確認したり, 3D画像を作成したりして重要臓器を温存できると考えた。このような考え方で, われわれは, 21例の側頭骨領域手術の安全性と確実性を確保してきた。 側頭骨領域手術を施行するにあたっては, 熟練医でも病巣と生命維持に関する重要器官とが近接することによって生じる危険性を背負うことになる。われわれは, 術前シミュレーションの重要性を強調したい。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.55.311