日本外傷データバンクを用いたスポーツ関連外傷の疫学データの推移と予後関連因子に関する研究
【背景】スポーツ関連外傷は,重大な疫学的問題である.本研究の目的は,本邦において,スポーツ関連外傷において小児と成人の違いなど疫学的特徴を評価し,予後関連因子を探索することである.【方法】日本外傷データバンク (JTDB) を用いて後方視的な解析を行った.2004年から2018年に入院したスポーツ関連外傷を対象とした.ロジスティック回帰分析を行い,院内死亡と関連する因子を探索した.【結果】対象患者5,828例を同定し,2,429例が小児,3,399例が成人であった.年齢の中央値は21歳で,83.8%が男性であった.小児で最も多い季節は4-6月 (30.6%) であり,成人で最も多い季節は1-3...
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Published in | デサントスポーツ科学 Vol. 44; pp. 137 - 146 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
22.02.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0285-5739 2758-4429 |
DOI | 10.57488/descente.44.0_137 |
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Summary: | 【背景】スポーツ関連外傷は,重大な疫学的問題である.本研究の目的は,本邦において,スポーツ関連外傷において小児と成人の違いなど疫学的特徴を評価し,予後関連因子を探索することである.【方法】日本外傷データバンク (JTDB) を用いて後方視的な解析を行った.2004年から2018年に入院したスポーツ関連外傷を対象とした.ロジスティック回帰分析を行い,院内死亡と関連する因子を探索した.【結果】対象患者5,828例を同定し,2,429例が小児,3,399例が成人であった.年齢の中央値は21歳で,83.8%が男性であった.小児で最も多い季節は4-6月 (30.6%) であり,成人で最も多い季節は1-3月 (37.5%) であった.院内死亡は1.2%で,多変量解析の結果,男性,頭頸部外傷,胸部外傷は院内死亡と有意に関連していた (aOR 4.11[95% CI 1.49-17.02],P=0.018; aOR 18.00[95% CI 10.06-33.92],P<0.001; aOR 4.18[95% CI 2.27-7.50],P<0.001).【結語】JTDBを用いてスポーツ外傷の疫学を分析した.男性,頭頸部外傷,胸部外傷は院内死亡と有意に関連していた. |
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ISSN: | 0285-5739 2758-4429 |
DOI: | 10.57488/descente.44.0_137 |