当科における喉頭気管分離・気管食道吻合術の検討

過去5年間に15例の喉頭気管分離・気管食道吻合術を施行し、全例で誤嚥性肺炎の防止が可能であった。気管食道吻合には新たに考案した方法を用い、高位の気管切開例にも実施することができた。気道分泌物の減少やカニューレが不要になったことなどで、患者だけでなく介護者の負担も減り、生存している11例中9例で在宅介護が可能となった。生存している症例の過半数で経口摂取が可能となったが、原疾患や全身状態によっては術後も経口摂取ができない例もあり、術前の十分な説明が必要である。本手術は発声機能を犠牲にするものの、本人の生命予後に対してだけでなく、介護の面からも有用であり、適応のある症例には積極的に手術を行うべきであ...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 49; no. 6; pp. 469 - 473
Main Authors 山本, 達之, 花本, 美和子, 末廣, 篤, 土師, 知行, 守屋, 真示, 八木, 伸也, 堀, 龍介, 竹林, 慎治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.11.2003
Subjects
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.49.6_469

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Summary:過去5年間に15例の喉頭気管分離・気管食道吻合術を施行し、全例で誤嚥性肺炎の防止が可能であった。気管食道吻合には新たに考案した方法を用い、高位の気管切開例にも実施することができた。気道分泌物の減少やカニューレが不要になったことなどで、患者だけでなく介護者の負担も減り、生存している11例中9例で在宅介護が可能となった。生存している症例の過半数で経口摂取が可能となったが、原疾患や全身状態によっては術後も経口摂取ができない例もあり、術前の十分な説明が必要である。本手術は発声機能を犠牲にするものの、本人の生命予後に対してだけでなく、介護の面からも有用であり、適応のある症例には積極的に手術を行うべきであると考える。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.49.6_469