低体温療法後の中枢性発熱に対する黄連解毒湯の効果

発熱は中枢神経障害に悪影響を与える。心停止後の中枢神経保護のため軽度低体温療法を施行し,施行後中枢性発熱を見た症例に黄連解毒湯を投与し,その体温に及ぼす作用を検討した。対象は7例で,低体温療法から復温後の発熱を認めた時点から,黄連解毒湯を胃チューブから計48回投与した。 著効1例,有効5例,無効1例であった。体温低下は投与初期に著しく,最大低下体温は39.1 ± 0.7度から37.6 ± 0.7度と平均1.55 ± 0.7度であった(p <0.05)。しかし,すべての投与時の変化は37.7 ± 0.6度から37.5 ± 0.7度と平均0.35 ± 0.77度であり有意ではなかった。黄連解...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 64; no. 4; pp. 212 - 215
Main Authors 西村, 雅之, 石原, 弘規, 廣田, 和美, 坪, 敏仁, 橋場, 英二, 大川, 浩文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2013
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.64.212

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Summary:発熱は中枢神経障害に悪影響を与える。心停止後の中枢神経保護のため軽度低体温療法を施行し,施行後中枢性発熱を見た症例に黄連解毒湯を投与し,その体温に及ぼす作用を検討した。対象は7例で,低体温療法から復温後の発熱を認めた時点から,黄連解毒湯を胃チューブから計48回投与した。 著効1例,有効5例,無効1例であった。体温低下は投与初期に著しく,最大低下体温は39.1 ± 0.7度から37.6 ± 0.7度と平均1.55 ± 0.7度であった(p <0.05)。しかし,すべての投与時の変化は37.7 ± 0.6度から37.5 ± 0.7度と平均0.35 ± 0.77度であり有意ではなかった。黄連解毒湯は軽度低体温療法後の中枢性発熱に対して,短期間の調節には試みてよい方法と思われた。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.64.212