Ejnell法の問題点と対策の検討

われわれは、両側声帯麻痺に対する手術には、Ejnell法を第一選択として積極的に施行している。しかし、症例を重ねるに従いいくつかの問題点が明らかになってきた。そこで、これらの問題点と、その対策法について検討した。1. 癒着・瘢痕を伴う例では、糸の牽引だけでは十分な声門開大が得られないことがあるので、適応には慎重を期すべきである。2. 甲状軟骨上の針の刺入位置、刺入方向を的確に決定し、刺入回数を減らすように注意する。3. 刺入位置の決定には、喉頭内腔から針を刺すことができるendo-extralaryngeal needle carrierが有用である。4. 牽引糸の固定には、スペーサーが有用で...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 49; no. 4; pp. 275 - 278
Main Authors 豊田, 健一郎, 只木, 信尚, 廣田, 隆一, 板東, 秀樹, 小池, 忍, 岡野, 博之, 馬場, 均, 宇野, 敏行, 久, 育男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.07.2003
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.49.4_275

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Summary:われわれは、両側声帯麻痺に対する手術には、Ejnell法を第一選択として積極的に施行している。しかし、症例を重ねるに従いいくつかの問題点が明らかになってきた。そこで、これらの問題点と、その対策法について検討した。1. 癒着・瘢痕を伴う例では、糸の牽引だけでは十分な声門開大が得られないことがあるので、適応には慎重を期すべきである。2. 甲状軟骨上の針の刺入位置、刺入方向を的確に決定し、刺入回数を減らすように注意する。3. 刺入位置の決定には、喉頭内腔から針を刺すことができるendo-extralaryngeal needle carrierが有用である。4. 牽引糸の固定には、スペーサーが有用である。われわれの用いているバイオセラム製ボタンは、薄いため違和感が少なく、糸を確実に結紮固定でき、非金属なのでCT、MRIなどの検査に支障を来さないことから、スペーサーに適している。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.49.4_275