上行性血栓性静脈炎3例の経験

要 旨:上行性血栓性静脈炎の3例を経験した。症例1は65歳男性,症例2は67歳女性,症例3は74歳男性。症例1,2は大伏在静脈に発症,手術は大伏在静脈を高位結紮切離して血栓除去を施行し,症例2では選択的ストリッピングを追加した。症例3は小伏在静脈に発症,手術は小伏在静脈中枢で高位結紮切離して血栓除去を施行した。症例1は肺塞栓症を合併した。血栓性静脈炎はたびたびみかける疾患でその予後は良好であると考えられている。しかし,上行性血栓性静脈炎は,頻度は低いが深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の原因となり致死的になる場合もあるため,可及的早期に治療を考慮する必要がある。...

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Published in脈管学 Vol. 54; no. 3; pp. 31 - 34
Main Authors 新名, 克彦, 中村, 栄作, 児嶋, 一司, 中村, 都英, 横田, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脈管学会 2014
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ISSN0387-1126
1880-8840
DOI10.7133/jca.13-00041

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Summary:要 旨:上行性血栓性静脈炎の3例を経験した。症例1は65歳男性,症例2は67歳女性,症例3は74歳男性。症例1,2は大伏在静脈に発症,手術は大伏在静脈を高位結紮切離して血栓除去を施行し,症例2では選択的ストリッピングを追加した。症例3は小伏在静脈に発症,手術は小伏在静脈中枢で高位結紮切離して血栓除去を施行した。症例1は肺塞栓症を合併した。血栓性静脈炎はたびたびみかける疾患でその予後は良好であると考えられている。しかし,上行性血栓性静脈炎は,頻度は低いが深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の原因となり致死的になる場合もあるため,可及的早期に治療を考慮する必要がある。
ISSN:0387-1126
1880-8840
DOI:10.7133/jca.13-00041