咽頭筋粘膜弁による声帯再建術

喉頭部分切除後などに生じた声帯硬化病変を咽頭筋粘膜弁で置換する新手術法を考案した。患側の甲状軟骨縁を前方に牽引して咽頭後壁を露出し、甲状咽頭筋を茎とする咽頭後壁の島状粘膜弁を採取する。咽頭の開口部は一次縫合で閉鎖し、喉頭載開により声帯の硬化病変を切除する。甲状軟骨板の外面を経てその先端部を越え、筋粘膜弁を喉頭腔に移動し新声帯を再建する。本手術を喉頭部分切除の高度嘆声例に行った。術後、音声は良好に改善し、嚥下障害や呼吸障害、咽頭皮膚瘻は生じなかった。本手術は音声外科的に有用な手術法であることが示唆された。...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 50; no. 5; pp. 381 - 385
Main Authors 池田, 晴人, 田中, 信三, 平塚, 康之, 安里, 亮, 堀, 真也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.09.2004
Subjects
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.50.5_381

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Summary:喉頭部分切除後などに生じた声帯硬化病変を咽頭筋粘膜弁で置換する新手術法を考案した。患側の甲状軟骨縁を前方に牽引して咽頭後壁を露出し、甲状咽頭筋を茎とする咽頭後壁の島状粘膜弁を採取する。咽頭の開口部は一次縫合で閉鎖し、喉頭載開により声帯の硬化病変を切除する。甲状軟骨板の外面を経てその先端部を越え、筋粘膜弁を喉頭腔に移動し新声帯を再建する。本手術を喉頭部分切除の高度嘆声例に行った。術後、音声は良好に改善し、嚥下障害や呼吸障害、咽頭皮膚瘻は生じなかった。本手術は音声外科的に有用な手術法であることが示唆された。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.50.5_381