血の道症に対し,女神散が有効と考えられた10症例の臨床的検討
女神散は「血の道症」に対して使用される処方であるが,婦人科三大処方と呼ばれる当帰芍薬散,加味逍遙散,桂枝茯苓丸と比較すると使用頻度は低く,多数例における使用経験をまとめた報告は少ない。そこで今回女神散の臨床応用に役立つ使用目標を明らかにするため,当施設で過去5年間に女神散を処方された症例のカルテを後方視的に検討した。その結果,女神散が有効な患者は身体的・精神的ストレスを背景とする気の異常と瘀血を伴う一方,水滞の兆候は認めないことが多かった。これらの所見は,女神散の効果的運用に役立つと考えられた。...
Saved in:
Published in | 日本東洋医学雑誌 Vol. 71; no. 2; pp. 121 - 126 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本東洋医学会
2020
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-4857 1882-756X |
DOI | 10.3937/kampomed.71.121 |
Cover
Summary: | 女神散は「血の道症」に対して使用される処方であるが,婦人科三大処方と呼ばれる当帰芍薬散,加味逍遙散,桂枝茯苓丸と比較すると使用頻度は低く,多数例における使用経験をまとめた報告は少ない。そこで今回女神散の臨床応用に役立つ使用目標を明らかにするため,当施設で過去5年間に女神散を処方された症例のカルテを後方視的に検討した。その結果,女神散が有効な患者は身体的・精神的ストレスを背景とする気の異常と瘀血を伴う一方,水滞の兆候は認めないことが多かった。これらの所見は,女神散の効果的運用に役立つと考えられた。 |
---|---|
ISSN: | 0287-4857 1882-756X |
DOI: | 10.3937/kampomed.71.121 |