真菌症に合併した頸部ガス壊疽の1例

先行する深頸部真菌感染症が頸部ガス壊疽の原因となったと考えられる1症例の治療を経験した。症例は67歳女性で咽頭痛、発熱、頸部および咽頭の腫脹を主訴として来院した。CTにて副咽頭間隙にガス像を伴った膿瘍が認められたためガス壊疽を疑い、全身麻酔下に頸部外切開による排膿とデブリードマンを施行した。細菌培養にて嫌気性レンサ球菌が認められたのみならず、病理組織検査にて陳旧性と思われるカンジダ菌塊が認められ、先行する頸部真菌症に嫌気性感染によるガス壊疽が続発したものと推測された。術後、抗生剤の全身投与とともに過酸化水素水、フルコナゾールによる局所洗浄にて早期に軽快した。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻と臨床 Vol. 45; no. 4; pp. 323 - 325
Main Authors 川畑, 裕子, 松原, 篤, 新川, 秀一, 蒔苗, 公利, 丸屋, 信一郎, 藤田, 繁俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.07.1999
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.45.4_323

Cover

More Information
Summary:先行する深頸部真菌感染症が頸部ガス壊疽の原因となったと考えられる1症例の治療を経験した。症例は67歳女性で咽頭痛、発熱、頸部および咽頭の腫脹を主訴として来院した。CTにて副咽頭間隙にガス像を伴った膿瘍が認められたためガス壊疽を疑い、全身麻酔下に頸部外切開による排膿とデブリードマンを施行した。細菌培養にて嫌気性レンサ球菌が認められたのみならず、病理組織検査にて陳旧性と思われるカンジダ菌塊が認められ、先行する頸部真菌症に嫌気性感染によるガス壊疽が続発したものと推測された。術後、抗生剤の全身投与とともに過酸化水素水、フルコナゾールによる局所洗浄にて早期に軽快した。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.45.4_323