各種脊髄動静脈瘻の治療における血管内治療医の役割
脊髄動静脈シャント(SAVS)にはいくつかのサブタイプがあり,病態の正確な理解と的確な診断が求められる.適切な治療のために血管内治療医と直達術者との連携が不可欠である.本報告では,当施設で診療を行ったSAVS 49例 51病変の各シャントタイプの治療選択と結果について検討した.シャントの部位はdural 19病変,epidural 12病変,perimedullary 10病変,radicular 7病変,ほか 3病変であった.治療は直達術29回(65.9%),血管内治療15回(34.1%).直達術の全例で血管内治療医が治療戦略を直達術者と共有,手術では術中シャント同定の支援を行った.直達術で...
Saved in:
| Published in | 脳卒中の外科 Vol. 52; no. 1; pp. 1 - 7 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
31.01.2024
日本脳卒中の外科学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI | 10.2335/scs.52.1 |
Cover
| Summary: | 脊髄動静脈シャント(SAVS)にはいくつかのサブタイプがあり,病態の正確な理解と的確な診断が求められる.適切な治療のために血管内治療医と直達術者との連携が不可欠である.本報告では,当施設で診療を行ったSAVS 49例 51病変の各シャントタイプの治療選択と結果について検討した.シャントの部位はdural 19病変,epidural 12病変,perimedullary 10病変,radicular 7病変,ほか 3病変であった.治療は直達術29回(65.9%),血管内治療15回(34.1%).直達術の全例で血管内治療医が治療戦略を直達術者と共有,手術では術中シャント同定の支援を行った.直達術で26病変が治癒(89.7%),血管内治療で治癒および有効塞栓が13病変(86.7%)であり,周術期合併症は4.5%,永続する症状は認めなかった.SAVS全体に対し血管内治療医は血管内治療を行うだけでなく,正確な診断の提供,直達術を含めた適切な方針の提案,術中にも支援を行うことで効果的な治療を遂行できる. |
|---|---|
| ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI: | 10.2335/scs.52.1 |