学業的自己概念の形成におけるジェンダーと学校環境の影響

本論は「生徒の学習到達度調査(PISA)」の2003年と2006年データから、高校生の理数系学力および学業的自己概念のジェンダー差の規定要因を検討した。その結果、女性は平均的に男性と同等の理数系学力を持つにもかかわらず、学業的自己概念は男性よりも低かった。また、学業的自己概念の形成には、生徒の性別、出身階層や学力といった個人レベルの要因に加え、学校環境の特徴が影響しており、男女比が均等な学校において女性が性別ステレオタイプ的な意識を持つ傾向にあることが分かった。...

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Published in教育学研究 Vol. 83; no. 1; pp. 13 - 25
Main Author 古田, 和久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育学会 2016
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ISSN0387-3161
2187-5278
DOI10.11555/kyoiku.83.1_13

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Summary:本論は「生徒の学習到達度調査(PISA)」の2003年と2006年データから、高校生の理数系学力および学業的自己概念のジェンダー差の規定要因を検討した。その結果、女性は平均的に男性と同等の理数系学力を持つにもかかわらず、学業的自己概念は男性よりも低かった。また、学業的自己概念の形成には、生徒の性別、出身階層や学力といった個人レベルの要因に加え、学校環境の特徴が影響しており、男女比が均等な学校において女性が性別ステレオタイプ的な意識を持つ傾向にあることが分かった。
ISSN:0387-3161
2187-5278
DOI:10.11555/kyoiku.83.1_13