保育現場における幼児教育者の色覚異常に対する関心および知識についての実態調査

幼児を保育する幼稚園教諭や保育士は,幼児の様々な行動に注意を払っている.もし幼稚園教諭や保育士が,色覚異常を原因とする特定の行動に気づくことが出来れば,色覚異常の早期発見が期待できる.我々は,幼稚園教諭と保育士は色覚異常について知識を有しているか,また幼児の色使いなどの特定の行動に注意しているかについてアンケートによる調査を行った.調査対象は,福岡県内の9園に勤務する幼稚園教諭・保育士の計112名であった.アンケートは,用紙に回答を記入する方法で無記名とした.結果は,幼稚園教諭や保育士の色覚異常に対する知識は乏しく,色覚異常に関する学習資料が十分に活かされていないことが明らかとなった.また,色...

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Published in日本色彩学会誌 Vol. 42; no. 5; p. 218
Main Authors 須長, 正治, 金田, 恵梨子, 桂, 重仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本色彩学会 01.09.2018
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ISSN0389-9357
2189-552X
DOI10.15048/jcsaj.42.5_218

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Summary:幼児を保育する幼稚園教諭や保育士は,幼児の様々な行動に注意を払っている.もし幼稚園教諭や保育士が,色覚異常を原因とする特定の行動に気づくことが出来れば,色覚異常の早期発見が期待できる.我々は,幼稚園教諭と保育士は色覚異常について知識を有しているか,また幼児の色使いなどの特定の行動に注意しているかについてアンケートによる調査を行った.調査対象は,福岡県内の9園に勤務する幼稚園教諭・保育士の計112名であった.アンケートは,用紙に回答を記入する方法で無記名とした.結果は,幼稚園教諭や保育士の色覚異常に対する知識は乏しく,色覚異常に関する学習資料が十分に活かされていないことが明らかとなった.また,色覚異常に気づくきっかけとして色名の使い方や絵を描くときの色使いが有効な可能性が示唆された.この結果を踏まえ,幼稚園教諭や保育士が学習しやすい色覚異常に関する情報提供のあり方を考える必要がある.
ISSN:0389-9357
2189-552X
DOI:10.15048/jcsaj.42.5_218