日本語版London Fibromyalgia Epidemiology Study Screening Questionnaire(LFESSQ)の開発:言語的妥当性を担保した翻訳版の作成

目的:London Fibromyalgia Epidemiology Study Screening Questionnaire (LFESSQ)は6問からなる英語の質問票で,一般集団を対象とした疫学研究において,線維筋痛症患者をスクリーニングするためにWhite KPらによって開発された.LEFSSQを日本の臨床現場に導入するため,言語的妥当性を担保した日本語版を作成した. 方法:日本語版の作成は,開発許可を取得後,言語的な妥当性を担保した翻訳版の開発において標準的に用いられる手順(①順翻訳,②逆翻訳,③パイロット調査)に沿って実施した.この手順を通し,原作と同等の内容が反映された,日本人...

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Published in臨床リウマチ Vol. 26; no. 2; pp. 130 - 136
Main Authors 中村, 郁朗, 川口, 美佳, 佐藤, 恵美子, 磯村, 達也, 西岡, 健弥, 犬塚, 恭子, 村上, 亜弥, 岡, 寛, White, KP
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会 2014
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
Subjects
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ISSN0914-8760
2189-0595
DOI10.14961/cra.26.130

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Summary:目的:London Fibromyalgia Epidemiology Study Screening Questionnaire (LFESSQ)は6問からなる英語の質問票で,一般集団を対象とした疫学研究において,線維筋痛症患者をスクリーニングするためにWhite KPらによって開発された.LEFSSQを日本の臨床現場に導入するため,言語的妥当性を担保した日本語版を作成した. 方法:日本語版の作成は,開発許可を取得後,言語的な妥当性を担保した翻訳版の開発において標準的に用いられる手順(①順翻訳,②逆翻訳,③パイロット調査)に沿って実施した.この手順を通し,原作と同等の内容が反映された,日本人にとってより自然な文章表現である翻訳を目指した.内容の同等性については,適宜,原作者に確認した. 結果:①順翻訳:日本語を母国語とする2名の翻訳者が,それぞれ日本語に翻訳し,協議を通して一つの翻訳案を作成した.②逆翻訳:英語を母国語とする独立した翻訳者が,英語に逆翻訳した.その後,原作者や専門医との協議を経て,日本語暫定版を作成した.③パイロット調査:6名の日本人成人男女を対象に面接調査を行い,結果を踏まえ,日本語暫定版の文章表現の妥当性を検討した.参加者は,6名中4名が女性,平均年齢は50.0歳であった.調査の結果,質問票の分かりやすさ,及び表現や内容の正確な理解は,全体として問題はなかった. 結論:一連の作成手順と検討を通し,言語的妥当性を担保した日本語版LFESSQを作成した.
ISSN:0914-8760
2189-0595
DOI:10.14961/cra.26.130