TNF阻害薬が無効でIL-6阻害薬(トシリズマブ)に変更し改善をみた難治性多関節型若年性特発性関節炎の2例

近年,難治性多関節型若年性特発性関節炎に対し生物学的製剤の使用が,多くの例で成果を挙げている.難治例とはメトトレキサートを含む従来の治療に不応な例である.しかし時に疾患活動性がさらに強い例,抗体産生等により2次性に副作用により,あるいは抗体産生により効果の減弱する例を認め,治療に難渋することがある.今回我々は難治例に対しTNF阻害薬を開始したが,効果不十分のためIL-6阻害薬に切り替え関節炎の消炎に成功した多関節型若年性特発性関節炎の2例を経験した.若年性特発性関節炎における生物学的製剤の使用については第1選択薬を何にするか,何をもって無効と判断し切り替えを行うかの指標は存在しない.今回の症例...

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Published in臨床リウマチ Vol. 24; no. 2; pp. 146 - 151
Main Authors 堤, 裕幸, 木澤, 敏毅, 野澤, 智, 原, 拓麿, 横田, 俊平, 今川, 智之, 森, 雅亮, 菊地, 雅子, 宮前, 多佳子, 百村, 芽衣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会 2012
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
Subjects
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ISSN0914-8760
2189-0595
DOI10.14961/cra.24.146

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Summary:近年,難治性多関節型若年性特発性関節炎に対し生物学的製剤の使用が,多くの例で成果を挙げている.難治例とはメトトレキサートを含む従来の治療に不応な例である.しかし時に疾患活動性がさらに強い例,抗体産生等により2次性に副作用により,あるいは抗体産生により効果の減弱する例を認め,治療に難渋することがある.今回我々は難治例に対しTNF阻害薬を開始したが,効果不十分のためIL-6阻害薬に切り替え関節炎の消炎に成功した多関節型若年性特発性関節炎の2例を経験した.若年性特発性関節炎における生物学的製剤の使用については第1選択薬を何にするか,何をもって無効と判断し切り替えを行うかの指標は存在しない.今回の症例のようにTNF阻害剤からIL-6阻害剤へのswitchingが有効な症例が存在することがわかった.このような症例を蓄積し,エビデンスの確立を図る必要があると思われた.
ISSN:0914-8760
2189-0595
DOI:10.14961/cra.24.146