酸化ストレス負荷が魚類の皮膚,肝臓および腎臓の抗酸化酵素活性に及ぼす影響

高濃度酸素水への曝露,過酸化水素水(H2O2)への曝露,および,紫外線(UV-B)照射の3種類の酸化ストレス負荷が,ヒラメ稚魚の皮膚,肝臓,腎臓のCu,Zn-とMn-SODおよびカタラーゼの活性に及ぼす影響を調べた.高濃度酸素水への曝露により,肝臓では24および72時間後にMn-SODの,24時間後にカタラーゼ(CAT)の活性が上昇した.腎臓では24時間後にCu, Zn-SODの,12時間後にMn-SODの活性が上昇した.6mg/LのH2O2への曝露により,皮膚では24および72時間後にCu,Zn-SODの,12および24時間後にCATの活性が上昇した.肝臓では12時間後にCu,Zn-SOD活...

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Published in日本海水学会誌 Vol. 63; no. 2; pp. 100 - 107
Main Authors 角田, 出, 仙石, 俊治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本海水学会 2009
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ISSN0369-4550
2185-9213
DOI10.11457/swsj.63.100

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Summary:高濃度酸素水への曝露,過酸化水素水(H2O2)への曝露,および,紫外線(UV-B)照射の3種類の酸化ストレス負荷が,ヒラメ稚魚の皮膚,肝臓,腎臓のCu,Zn-とMn-SODおよびカタラーゼの活性に及ぼす影響を調べた.高濃度酸素水への曝露により,肝臓では24および72時間後にMn-SODの,24時間後にカタラーゼ(CAT)の活性が上昇した.腎臓では24時間後にCu, Zn-SODの,12時間後にMn-SODの活性が上昇した.6mg/LのH2O2への曝露により,皮膚では24および72時間後にCu,Zn-SODの,12および24時間後にCATの活性が上昇した.肝臓では12時間後にCu,Zn-SOD活性が,腎臓では24および72時間後にCu,Zn-SODの,24時間後にMn-SODの活性が上昇した.30mg/LのH2O2への曝露により,皮膚では12から72時間後にCu,Zn-SODおよびCAT活性が上昇した.肝臓では24および72時間後にCu,Zn-SODの,12および72時間後にはCATの活性が上昇した.腎臓では12時間後にCu,Zn-SODの,24および72時間後にMn-SODの活性が上昇した.UV-B照射により,皮膚では12から72時間後にかけてCu,Zn-SODの,72時間後にMn-SODの,24および72時間後にCATの活性が上昇した.肝臓では12および72時間後にMn-SOD活性が上昇した.本研究の結果,高濃度酸素水やH2O2への曝露,UV-B照射は,魚類に顕著な酸化ストレス反応を惹起するが,これらの酸化ストレスを負荷された魚の皮膚,肝臓,腎臓では,SOD-CAT抗酸化酵素系がそのストレスの除去あるいは軽減のために有効に働いていることが分かった.
ISSN:0369-4550
2185-9213
DOI:10.11457/swsj.63.100