知覚モデルとデータ分析に基づく画像からの代表色抽出及び評価実験

本研究の目的は,複雑な色彩特徴を持つ画像から代表色を抽出する人の知覚過程を参考にして,データ分析に基づく代表色抽出手法を提案することである.人は画像を見たとき,画素の一つ一つを知覚するのではなく,画像全体を俯瞰して少数の代表色を知覚し,それに基づいて色彩特徴を認識する.また,画像を見て瞬時に直感的に,色彩イメージを想起したり,色彩特徴によるグループ分けをしたりする.こうした人の知覚・認知機能をコンピュータで代替する技術は未だ確立されていない.本研究では,画像に応じて代表色の色数が適応的に決まらない既往研究の問題点に着目し,画像領域分割と階層クラスタリングをあわせた方法でこの問題を解決した.また...

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Published in日本色彩学会誌 Vol. 42; no. 4; p. 170
Main Authors 高橋, 直己, 坂本, 隆, 加藤, 俊一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本色彩学会 01.07.2018
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ISSN0389-9357
2189-552X
DOI10.15048/jcsaj.42.4_170

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Summary:本研究の目的は,複雑な色彩特徴を持つ画像から代表色を抽出する人の知覚過程を参考にして,データ分析に基づく代表色抽出手法を提案することである.人は画像を見たとき,画素の一つ一つを知覚するのではなく,画像全体を俯瞰して少数の代表色を知覚し,それに基づいて色彩特徴を認識する.また,画像を見て瞬時に直感的に,色彩イメージを想起したり,色彩特徴によるグループ分けをしたりする.こうした人の知覚・認知機能をコンピュータで代替する技術は未だ確立されていない.本研究では,画像に応じて代表色の色数が適応的に決まらない既往研究の問題点に着目し,画像領域分割と階層クラスタリングをあわせた方法でこの問題を解決した.また人間が抽出した代表色と提案手法が推定した代表色の距離を評価基準とし,代表色抽出法の比較評価を行った結果,従来手法より提案手法の方が統計的に人間の抽出結果に近い推定をすることが示された.
ISSN:0389-9357
2189-552X
DOI:10.15048/jcsaj.42.4_170