大腸リンパ管腫の2例
大腸リンパ管腫は比較的稀な疾患である.今回,われわれは内視鏡的に診断しえた2例の大腸リンパ管腫を経験した.症例1は51歳,男性で,脾彎曲部に13mm大のX線透過性の良いポリープを指摘された.大腸内視鏡ではcushion sign陽性の表面平滑な白色調亜有茎性腫瘤で,内視鏡的には大腸リンパ管腫と考えられ,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.組織学的には海綿状リンパ管腫であった.症例2は50歳男性で,横行結腸に35×35mm,半球状の表面平滑な粘膜下腫瘍様の内視鏡所見を呈したが,周囲とくらべ透明感があった.cushion sign陽性で,生検鉗子にて穿破したところ,透明な液が流出し,隆起は消失し,リ...
Saved in:
Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 45; no. 2; pp. 228 - 233 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
1992
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.45.228 |
Cover
Summary: | 大腸リンパ管腫は比較的稀な疾患である.今回,われわれは内視鏡的に診断しえた2例の大腸リンパ管腫を経験した.症例1は51歳,男性で,脾彎曲部に13mm大のX線透過性の良いポリープを指摘された.大腸内視鏡ではcushion sign陽性の表面平滑な白色調亜有茎性腫瘤で,内視鏡的には大腸リンパ管腫と考えられ,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.組織学的には海綿状リンパ管腫であった.症例2は50歳男性で,横行結腸に35×35mm,半球状の表面平滑な粘膜下腫瘍様の内視鏡所見を呈したが,周囲とくらべ透明感があった.cushion sign陽性で,生検鉗子にて穿破したところ,透明な液が流出し,隆起は消失し,リンパ管腫が疑われた.大腸リンパ管腫は良性疾患であり,本症を念頭においた注意深い観察により,術前診断も可能となり,合併症さえなければ内視鏡的にポリペクトミーや穿刺吸引あるいは経過観察で良いと思われた. |
---|---|
ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.45.228 |