1995年スギ花粉大飛散時におけるペミロラストカリウムの臨床効果の検討

スギ花粉大量飛散年である1995年のスギ花粉症患者を対象に, 封筒法を用いて内服H1拮抗薬, 局所ステロイド薬を併用した対照群 (27例) と, これにアレギサール (R) を上乗せした試験薬群 (38例) に分け, 比較検討した. 投薬前, 投薬後2, 4週における鼻症状, 日常生活支障度, 重症度および鼻腔所見の程度の推移は, 対照群では, 投薬2週からほぼ効果が横這いとなった. しかし, 試験薬群では投薬4週目にかけて改善度合が高まる傾向にあった. 日常生活の支障度は対照群に比べ試験薬群で投薬4週目において有意に改善していた. 患者の印象は, 対照群で「大変良かった」26%, 「良かった...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻と臨床 Vol. 44; no. 1; pp. 73 - 83
Main Authors 山越, 隆行, 沼田, 勉, 神田, 敬, 谷川, 博一, 藤田, 洋祐, 嶋田, 耿子, 大原, 奎昊, 長谷川, 真也, 今野, 昭義, 米本, 正明, 浜野, ナナ子, 長, 哲, 三浦, 巧, 宗, 永元, 山本, 昌彦, 安藤, 一郎, 和田, 研
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.01.1998
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.44.1_73

Cover

More Information
Summary:スギ花粉大量飛散年である1995年のスギ花粉症患者を対象に, 封筒法を用いて内服H1拮抗薬, 局所ステロイド薬を併用した対照群 (27例) と, これにアレギサール (R) を上乗せした試験薬群 (38例) に分け, 比較検討した. 投薬前, 投薬後2, 4週における鼻症状, 日常生活支障度, 重症度および鼻腔所見の程度の推移は, 対照群では, 投薬2週からほぼ効果が横這いとなった. しかし, 試験薬群では投薬4週目にかけて改善度合が高まる傾向にあった. 日常生活の支障度は対照群に比べ試験薬群で投薬4週目において有意に改善していた. 患者の印象は, 対照群で「大変良かった」26%, 「良かった」以上78%, 試験薬群では「大変良かった」47%, 「良かった」以上95%と, U検定において有意な差を認めた (pく0.05). 副作用は, 49例中2例に認めたが, 重篤なものではなかった. 以上より, スギ花粉症に対するアレギサール (R) の有用性が確認された.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.44.1_73