中枢性に気管支内腔に突出した硬化性肺胞上皮腫の1切除例
【はじめに】硬化性肺胞上皮腫の多くは末梢性に発生し,中枢性に気管支内腔に突出する症例は稀である.【症例】75歳女性.検診にて胸部X線の異常を指摘された.胸部単純CT所見では,右上葉に25 mm大のダンベル型の結節影を認め,当院を紹介受診した.PET-CTでは,有意なFDG集積は認めなかった.気管支鏡検査では,B3a気管支内腔に突出する表面平滑,血管に富む腫瘍を認めた.易出血性と判断され生検は施行されなかった.気管支カルチノイドを第一に疑い,胸腔鏡下右上葉部分切除術を先行し,悪性所見を認める場合に肺葉切除の方針とした.迅速病理では,腫瘍は境界明瞭な黒褐色の結節で,卵円形細胞と立方状細胞が乳頭状,...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 39; no. 4; pp. 324 - 329 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器外科学会
15.05.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.39.324 |
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Summary: | 【はじめに】硬化性肺胞上皮腫の多くは末梢性に発生し,中枢性に気管支内腔に突出する症例は稀である.【症例】75歳女性.検診にて胸部X線の異常を指摘された.胸部単純CT所見では,右上葉に25 mm大のダンベル型の結節影を認め,当院を紹介受診した.PET-CTでは,有意なFDG集積は認めなかった.気管支鏡検査では,B3a気管支内腔に突出する表面平滑,血管に富む腫瘍を認めた.易出血性と判断され生検は施行されなかった.気管支カルチノイドを第一に疑い,胸腔鏡下右上葉部分切除術を先行し,悪性所見を認める場合に肺葉切除の方針とした.迅速病理では,腫瘍は境界明瞭な黒褐色の結節で,卵円形細胞と立方状細胞が乳頭状,血管腫様,充実性に増殖しており,硬化性肺胞上皮腫と診断された.追加切除は施行せず手術を終了した.【結論】硬化性肺胞上皮腫は肺胞上皮由来と考えられているが,本症例は気管支内腔に進展する稀な症例と考えられた. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.39.324 |