非観血的治療後に待機的に手術を行った閉鎖孔ヘルニアの2例

非観血的および自然整復された閉鎖孔ヘルニアの症例を3例経験し,うち待機的に手術を行った2例について報告する.症例は70歳と81歳の女性で,いずれも腹痛および大腿部痛を主訴に来院.骨盤CTおよび腹部超音波検査により閉鎖孔ヘルニアと診断した.症例1は発症7時間にて自然還納し,待機的に鼠径法にてメッシュシートを用いて根治術を行った.症例2は発症2時間にてエコーガイド下整復を行い,待機的にKugel法にて治療を行った.いずれの症例も術後合併症なく術後6日目に軽快退院した.閉鎖孔ヘルニアは診断がつき次第緊急手術を行うことが多かったが,最近では自然整復や非観血的治療を行い,待機的手術を行った症例が散見され...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 43; no. 1; pp. 122 - 127
Main Authors 横山, 隆, 山中, 啓司, 杉山, 陽一, 呑村, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.01.2010
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.43.122

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Summary:非観血的および自然整復された閉鎖孔ヘルニアの症例を3例経験し,うち待機的に手術を行った2例について報告する.症例は70歳と81歳の女性で,いずれも腹痛および大腿部痛を主訴に来院.骨盤CTおよび腹部超音波検査により閉鎖孔ヘルニアと診断した.症例1は発症7時間にて自然還納し,待機的に鼠径法にてメッシュシートを用いて根治術を行った.症例2は発症2時間にてエコーガイド下整復を行い,待機的にKugel法にて治療を行った.いずれの症例も術後合併症なく術後6日目に軽快退院した.閉鎖孔ヘルニアは診断がつき次第緊急手術を行うことが多かったが,最近では自然整復や非観血的治療を行い,待機的手術を行った症例が散見される.ただし,その適応には十分な注意が必要であり,本邦報告例の検討から発症翌日までの期間であること,CTでの脱出腸管の大きさが重要であると考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.43.122