睡眠時遊行症に酸棗仁湯が有効であった一例
酸棗仁湯が睡眠時遊行症に有効であった一例を経験した。症例は55歳女性。小児期に睡眠時遊行を認め一時消失していたが,成人後の精神病症状の出現とともに時々,夜間の行動異常を認めるようになった。クローン病の合併,統合失調感情障害の残遺状態の診断で当院に長期入院中,55歳時に夜間の徘徊,異常行動が目立つようになった。 抑肝散エキス製剤2.5g/日で一時的に改善したかにみえたが再発し,酸棗仁湯エキス製剤7.5g/日への変更後,不眠が改善し,夜間の異常行動が消失した。睡眠時遊行症では,五臓論の心の病態が重要であると考えられた。...
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          | Published in | 日本東洋医学雑誌 Vol. 67; no. 1; pp. 61 - 66 | 
|---|---|
| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本東洋医学会
    
        20.01.2016
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0287-4857 1882-756X  | 
| DOI | 10.3937/kampomed.67.61 | 
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| Summary: | 酸棗仁湯が睡眠時遊行症に有効であった一例を経験した。症例は55歳女性。小児期に睡眠時遊行を認め一時消失していたが,成人後の精神病症状の出現とともに時々,夜間の行動異常を認めるようになった。クローン病の合併,統合失調感情障害の残遺状態の診断で当院に長期入院中,55歳時に夜間の徘徊,異常行動が目立つようになった。 抑肝散エキス製剤2.5g/日で一時的に改善したかにみえたが再発し,酸棗仁湯エキス製剤7.5g/日への変更後,不眠が改善し,夜間の異常行動が消失した。睡眠時遊行症では,五臓論の心の病態が重要であると考えられた。 | 
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| ISSN: | 0287-4857 1882-756X  | 
| DOI: | 10.3937/kampomed.67.61 |