43年間放置され,内視鏡的に摘出しえた十二指腸異物の1例

今回われわれは43年聞放置された十二指腸異物の1例を経験し,内視鏡的に摘出しえたので報告する。症例は57歳男性。主訴は吐血。緊急内視鏡を施行したところ,急性胃炎からの出血であった。また,十二指腸に黒色棒状の異物を認めたため,異物鉗子で引っ張ったところ胃まで出すことができた。改めてよく問いただしたところ,昭和20年14歳の時に,友達同士で歯ブラシをむりやり飲ませあったという。20日後に,内視鏡下に異物除去を試みた。ミニスライディングチューブを併用し,TGF-2Dファイバーで把持鉗子を用いて摘出できた。摘出した異物は160×14×5mmのセルロイド製歯ブラシであった。摘出後の経過は良好で,4日後退...

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Published in消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy Vol. 43; pp. 178 - 180
Main Authors 木原, 彊, 藤村, 宜憲, 藤井, 千穂, 仁科, 雅良, 小濱, 啓次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 01.12.1993
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ISSN0389-9403
0389-9403
DOI10.11641/pdensks.43.0_178

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Summary:今回われわれは43年聞放置された十二指腸異物の1例を経験し,内視鏡的に摘出しえたので報告する。症例は57歳男性。主訴は吐血。緊急内視鏡を施行したところ,急性胃炎からの出血であった。また,十二指腸に黒色棒状の異物を認めたため,異物鉗子で引っ張ったところ胃まで出すことができた。改めてよく問いただしたところ,昭和20年14歳の時に,友達同士で歯ブラシをむりやり飲ませあったという。20日後に,内視鏡下に異物除去を試みた。ミニスライディングチューブを併用し,TGF-2Dファイバーで把持鉗子を用いて摘出できた。摘出した異物は160×14×5mmのセルロイド製歯ブラシであった。摘出後の経過は良好で,4日後退院となった。
ISSN:0389-9403
0389-9403
DOI:10.11641/pdensks.43.0_178