当科における頭頸部原発腺様嚢胞癌症例の検討

過去18年間に当科で一次治療を行った頭頸部原発腺様嚢胞癌24例について検討を行った。原発部位は唾液腺12例, 舌・口腔7例, 鼻副鼻腔4例, 聴器 (外耳道) 1例であった。病理組織grade分類では, grade Iが7例, grade IIが10例, grade IIIが7例であった。24例中5例に局所再発, 遠隔転移を認めた。Kaplan-Meier法を用いて算出した5年及び10年累積生存率はそれぞれ64.3%と53.6%であった。病期別に検討するとstage III・IVはstage I・IIと比較して有意に予後不良であった。病理組織grade分類別での有意差は認めなかったが, 神経周...

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Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 4; pp. 594 - 599
Main Authors 中村, 正, 小池, 修治, 青柳, 優, 伊藤, 吏, 石田, 晃弘, 那須, 隆, 稲村, 博雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 2004
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ISSN1349-5747
1881-8382
DOI10.5981/jjhnc.30.594

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Summary:過去18年間に当科で一次治療を行った頭頸部原発腺様嚢胞癌24例について検討を行った。原発部位は唾液腺12例, 舌・口腔7例, 鼻副鼻腔4例, 聴器 (外耳道) 1例であった。病理組織grade分類では, grade Iが7例, grade IIが10例, grade IIIが7例であった。24例中5例に局所再発, 遠隔転移を認めた。Kaplan-Meier法を用いて算出した5年及び10年累積生存率はそれぞれ64.3%と53.6%であった。病期別に検討するとstage III・IVはstage I・IIと比較して有意に予後不良であった。病理組織grade分類別での有意差は認めなかったが, 神経周囲浸潤を認めた症例の予後は有意に不良であり, 局所再発, 遠隔転移の出現に充分注意し, 補助療法を考慮すべきと考えられた。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.594